グローバル化について考えていると、ふと疑問に思うことがあります。
本当にグローバル化は、私たちを幸福にする方向性なのだろうか?
そんな疑問が湧き上がるのです。
経済のグローバル化をおし進めることは、
人、モノ、カネ、情報が移動しやすい仕組みだと思いますし、
そうすればお金の流れも良くなるとは思います。
またそれにともなって競争が激しくなることで、技術の発展が見込まれると思いますし、
技術が発展すれば便利なモノが生み出されて、人々の暮らしは向上すると思います。
そして便利になって生産性がアップすることは経済の成長を意味します。
そう考えると単純に経済のことだけを考えれば、グローバル化は一見すると良いことのように思えます。
ただそもそも資本主義の問題点として「21世紀の資本」を書いたピケティ氏は、
格差が拡大し続けることを指摘していますし、
グローバル化で経済が発展しても、それで富が多くの人に行き渡っているかと言えば、
やはり格差は拡大していると指摘されています。
もちろん社会主義の試みが失敗したように格差はあった方が望ましいと思いますし、
格差については個人の努力に負うところも大きいと思いますが、
競争が激しくなることは、人々の負担も増すことになりますので、
やや人々の負担を減らす方向性を考えて、
心のゆとりを持てる社会を目指す方が、結果として経済的にも望ましい気がします。
そういえば経済という言葉は、「経世済民」という言葉が元になっています。
その意味は「世を治め、人を救う」。
経済といえば、ついお金を連想しがちですが、
経済全体のことを考える時、
お金よりも人を大切にする考えが必要なのかもしれませんね。